オリックスからポスティング制度を利用して米移籍を目指す山本由伸投手(25)が11日(日本時間12日)、米ロサンゼルス近郊で本命ヤンキースと直接交渉に臨んだ。地元ニューヨークの専門局「YESネットワーク」が伝えたもので、看板記者ジャック・カリー記者によると、関係者が「獲得へ向けてとてもポジティブだった」と、好感触を得たことを伝えた。移籍交渉の期限は米東部時間来年1月4日の午後5時(同1月5日午前7時)までとなっている。

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山本が本命とされるヤンキースとの交渉に着席した。複数の米メディアによると、オーナーのハル・スタインブレナー氏、ブライアン・キャッシュマンGM、アーロン・ブーン監督らが出席したものとみられる。 ヤ軍は同GMが来日し、9月9日に山本がロッテ戦でノーヒッターを達成した試合を観戦。これまでに同GMが「我々はできることのすべてをやる」と話した通り、大砲ソトをパドレスからトレードで獲得するなど、今オフの補強意欲は並大抵ではない。昨オフから山本が愛着を持つ背番号「18」を空き番号としてスタンバイ。大谷争奪戦から早々に撤退し、山本獲得を最優先事項に切り替えるなど、上限なしの資金力で交渉を進める方向性を明らかにしていた。

スポーツ専門局「ESPN」のバスター・オルニー記者によると、山本は前日10日(同11日)、すでにジャイアンツと直接交渉。今後は、メッツなど他球団とも交渉するものと見込まれている。早い時期からラブコールを送り続けていたヤ軍の優勢が変わらない一方、山本が幼少期からドジャースファンだったことに加え、移籍が正式決定した大谷の高額年俸が「後払い」となったことでド軍の可能性も急浮上。ド軍とは今週中にも直接交渉を行うとみられている。「ジ・アスレチック」によると山本が今後2週間くらいで移籍先を決めると複数関係者が予想。総額3億ドル(約435億円)以上とも見込まれる「山本争奪戦」は、本命ヤ軍を筆頭にいよいよ熱気を帯びてきた。