エンゼルス大谷翔平投手(26)がオープン戦4度目の先発で2回1/3を投げ、4安打7失点5四球と大荒れだった。右手のマメのため、3回途中で交代した。

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大谷本人が試合後に振り返ったように、この日のドジャース戦の乱調は、右手中指のマメの影響が出ていたのは明らかだった。投げ方自体は前回登板のパドレス戦同様に良くなっているので、シーズン開幕に向け、マメの対処が非常に重要になってくる。

少し厳しい言葉にはなるが、マメの問題は二刀流の弊害だと言える。私を含めた多くのプロの投手は、マメの問題は高校時代に克服している。ピッチャーに専念し、投げ込みを重ねていれば人さし指や中指はタコのように固くなって、強くなっていく。

大谷がプロ入り後、マメの影響が投球に出たのは初めてではない。プロの投手である以上は「マメがつぶれたので、投げられない」ではいけないし、今後も続くようなことがあれば、「二刀流」の野球人生にもかかわってくるだろう。

もちろん、体質もあるだろうし、湿気にも影響されることもある。プロに入って、(大洋、横浜時代に投手コーチで指導を受けた)小谷さんから聞いたのは空いた時間に机など固いものを人さし指と中指でたたき、強くしたと。鍛える方法はいくらでもある。

キャンプ、オープン戦を通じ、打撃でも投球でも、高い能力を発揮し、今季の「二刀流」への期待は高まる。マメの問題とどう向き合って、克服していくか。数々の難題をクリアし続ける大谷自身が、一番良く分かっているだろう。(日刊スポーツ評論家)